一昨日は詩吟の昇段審査がありました。小生はプロフィールでご紹介の通り公益社団法人「日本詩吟学院」という全国的組織の中の駿河岳風会(神奈川箱根~静岡東部地域)に所属し、さらにその中の詩岳正吟会という教室(現在8名)で週一回の稽古をしいます。現在6段なので今回は2年ぶりに「奥伝位」の受審となりました。詩吟も「吟道」と言って空手道や弓道のように級・段位制なのです。若干異なるのは段位の途中に「伝位」というものがあり、初段、弐段、「初伝位」、参段、四段、「中伝位」、五段、六段、「奥伝位」、七段、八段、「皆伝位」、九段、十段、「総伝位」という具合に上がっていきます。

 審査は駿河岳風会会長/副会長の前で実際に詩吟を詠って評価を頂くことになるのですが、奥伝位にもなると審査科目も多くなります。詩吟に興味のない方には「ピン」と来ないと思いますが、今回審査された吟題は、漢詩七言絶句「諒州詩(王翰)」、五言絶句「胡隠君を尋ぬ(高啓)」、和歌「東風吹かば(菅原道真)」、俳句「蛤の(芭蕉)」「物いえば(芭蕉)」、俳諧歌「老いの身は(一茶)」、律詩「桜花の詞(逸名)」「白虎隊(佐原盛純)」「筑前城下の作(広瀬淡窓)」「棄児行(雲井瀧雄)」という内訳でとても多かったです。
 腹から声を出すというのはお年寄りにとっても健康に良く、詩吟をやっている方々は皆さんお元気ですが、大声で続けて詠うと流石に喉がカラカラになりますし、徒に力むので顔も真っ赤になり高血圧症のわが身にとっては「命がけ」という感があります。まぁ、詠っている途中に倒れたという人の話は聞いたことがありませんが、、、、、
 いつものように人前に出ると緊張してしまう小心者なので(これは弓道やゴルフも一緒)、日頃の稽古の成果を十二分に発揮できたとは言い難い内容でしたが、審査結果は「合格」を頂きました。今年は弓道の昇段審査で連敗していましたので、「とても嬉しい!」となるはずなのですが、実は、詩吟の場合、余程のことが無い限り不合格は無いのです。長く詩吟を続けて頂くために「頑張ったで賞」的な意味合いが大きいのでしょう。達成感は難易度に比例するものだと思うので若干複雑ですが、一つの区切りがついたという思いです。

 今回審査で「奥伝位」を頂戴しましたので、本名の「章彦」が、これまでの雅号である「章山」から「章風」に変わることになります。総伝までは、まだまだ遠い道のりとなりますが、なんとか続けて行きたいと思います。
 詩吟というのは大声を出すという事で健康に良いという一面がありますが、いろいろな漢詩や和歌などから歴史や古人の考えを学ぶという面白さもあります。詩吟を始めて8年になりますが、小生より若い男性の入会が無いので寂しく思っています。本ブログをご覧になった方で、少し見学/体験してみたいという方がいらっしゃいましたら是非ご連絡ください。